アートを定義するのが難しいと悩まれている方もいるかもしれませんが、アートには有限の定義がないので、それはごく当然のことです。アートというのは、常に流動的で、絶えず動き、形や姿を変えますが、本質的には私たち人間を支えているのです。そんな私たち人間の生きる原動力となるアートに、ある特定の創作物と結びつけることはおろかな発想であり、名前をつけることさえも間違っているのです。絵画は、アートの一種ですが、頭の中で美しい情景を想像することに過ぎません。

 

こうした哲学的な思考を頭に入れつつ、有名なアーティストが残した壮大で時代を超えた絵画を鑑賞してみましょう。以下では、ギャンブルライフを最も巧妙に表現した絵画をピックアップしました。では早速、アートを楽しみ、味わいましょう。

 

『モンテカルロのルーレットテーブル』

エドヴァルド・ムンク作

 

エドヴァルド・ムンクが残した名画は、あの有名な『叫び』だけではありません。もう一つの名作『モンテカルロのルーレットテーブル』は、カジノの内部、まさにポーカーテーブルとルーレットテーブルを完璧に表現した作品です。本作で描かれているカジノは、ムンクが姪に滞在していた時によく訪れていたモンテカルロのカジノだと推定されています。

ムンク自身がカジノで長い夜を過ごしたことが、本作を制作することになったきっかけとされていて、その時の記憶を永遠に残そうとしたのではないか?と推測されています。

 

『ポーカーをする犬』

カシアス・マーセラス・クーリッジ作

これは間違いなく、世界で最も有名なカジノをテーマにした絵画です。実際、カジノに行ったことがない人でも、人生で一度は見たことがあるのではないでしょうか?有名すぎるあまり、レプリカ版がパブやビリヤード場の壁によく飾られています。作者クーリッジがなぜ犬を擬人化することにしたのかについては、特に彼は声明や推敲をしなかったので、本当のところは謎に包まれたままとなっています。

とはいえ、驚くほど細かいディテールと美しい色彩が特徴であり、すばらしい作品であることは誰もが認めるでしょう。今なお、熱狂的なカジノファンの心をつかんで離さない名作です。

 

『トランプ詐欺師』

カラヴァッジョ作

天才と呼べる画家がいるとすれば、それはカラヴァッジョだと断言できます。構成や整合性のない絵画でもアートとされますが、カラヴァッジョはそれを別次元で捉えていました。自分の絵がどう見えるか、見る人とどう接するかについて注目していたのです。

そんな天才カラヴァッジョがカジノをテーマにして描いた『トランプ詐欺師』は、まるで4つの次元にあるかのように見えます。一見すると、とてもシンプルに見えるのですが、じっくりと時間をかけて鑑賞するうちに、この作品がいかに洗練されているかが理解できます。毎回、同じ場所に目がいき、同じルートをたどることになるのです。最初は無邪気な少年と彼の手、次にその少年が持っているカードを覗き込んでいる男、そして少年の対戦相手に目がいき、最後にはその対戦相手がイカサマをしていたという結論まで誘導されるのです。なんとも巧妙な表現を用いた作品に仕上がっています。